2021年 08月 16日
大雨と土嚢 |
実は「信州風の家」のある長野県小谷村も、今から26年前(1995年)の7月11日~12日にかけて、たった2日で約400ミリという集中豪雨が起こり、土石流発生74件、道路や鉄道も寸断され、孤立した多くの人がヘリで救出されるような大災害を経験している。「7.11水害」と呼ばれるこの水害は、地元の人たちにとって忘れ難い経験で、元大家の荻原さんも、大雨で風の家に被害が出ないよう何度も注意を促して下さった。上述の水害では風の家も、目の前の農業用水が溢れたり、側を走る道路が川のようになったりで、床下浸水したらしい。そのため現在は写真のような土嚢約30袋を用意して、一応緊急時に備えている。
そんな中、かつて水害で新築の家をまるごと流されてしまった経験を持つ、隣の畑の御婦人のひと言が忘れられない。「あんな大雨に対してはね、人が何やったって何の役にも立たないよ・・・」。自然の猛威をまざまざと見せつけられ、体験した方だからこその重い言葉だろう。そもそも自然の圧倒的な力に比して、人間はあまりに小さくはかない存在なのだ。
ただ・・・そうした現実をしっかり見つめ認めつつ、同時に小さな人間として私の出来る、また、なすべきことを思い巡らして実行する事にも、きっと意味はあるのだろう。だから、これからも少しずつ「土嚢」を作っていこうと思う。自らの小さな手で、出来る限りの。
by itokoshi
| 2021-08-16 16:22