2021年 06月 13日
麦の成長 |
ところで、あの有名な「麦踏み」は、これぐらいの時期に行うと聞いたことがあったので、地元の方に「そろそろ踏んで良いでしょうか?」と尋ねてみた。すると、その方は笑いながら「それは秋蒔き小麦の話。霜柱で持ち上げられて苗が浮かないように、あるいは株分かれを促進したり、耐寒性を高めるため等でするんだよ。でも、ここは豪雪地帯。麦踏みしなくても雪に踏み潰されるから、そんな事やらないね~。とにかく、春蒔き小麦は冬を越さないから必要ないよ」とのこと。風土によって、同じ作物でも育ち方や育て方が違う。そんな話から”福音の育ち方や育て方も、同じことが言えるかもしれない”、などとふと考える。
何はともあれ、麦の種はこの1ヶ月、こちらは手をかけていないのにスクスクと良く育った。今日の主日の福音に「人が土に種を蒔いて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせる・・・」という一節があったが、まさにその通り。天地の力で、種は自ずから育っていく。その働きの中で、私たちはなすべきことをし、収穫させていただく。作物の恵みは、根本的には人間が”作る”ものではなく、天地からの”授かりもの”なのだ。昔の人がよく使った”授かりもの”という言葉。尊い言葉だと改めて思う。
by itokoshi
| 2021-06-13 18:18